GINGER LEMON HONEY -甜菜糖のこと-
ジンジャーシロップ「GINGER LEMON HONEY」の素材についての連載。
前回の蜂蜜に続いて砂糖のお話です。
当初は砂糖を使わず、甘味は蜂蜜のみにできないか模索していました。さまざまな蜂蜜を試したのですが、蜂蜜のみでは味がなまるというか、清涼感が出ませんでした。スパイスをふんだんに使うことは決めていたので、ガツンとくるスパイスの味わいに、甘味のスピードが合わないというか、少し遅くなるような印象がありました。
また、レモンの味を隠すような印象もあって、バランスをとるのが難しかったのです。
さらにシロップとして使用する際に、蜂蜜の量が多すぎるととろみが多く、扱いづらいという問題もありました。それからもちろんコストの問題もあります。
砂糖の併用を決めた私たちは、さまざまな砂糖の検討をはじめました。グラニュー糖、上白糖、きび砂糖、黒砂糖、それから甜菜糖。
現地の味に近く、甘さを感じるスピードがちょうどいいのが甜菜糖だったのです。この時はあくまで味で使用を決めましたが、甜菜糖のさまざまな効能を後から知ることになりました。
甜菜糖はその名の通り、北海道で採れる植物の「甜菜(てんさい)」が原料。まろやかな甘さを持ち、独特のコクや風味があるのが特徴。それだけでなく、カリウムやカルシウムなどのミネラル、お腹の調子を整えるオリゴ糖が含まれていいます。グラニュー糖や上白糖と比べて血糖値の上昇が緩やかなので、ダイエット中の方にも安心なのです。
生姜とスパイス類のパンチ力を活かすために、甘さのスピード感がその後から来るようなものを探した結果、甜菜糖の使用に至ったわけですが、そこに「血糖値の上昇」という健康のファクターが関わっていることは、予想もしないことでした。
血糖値が上昇するときに、人は甘味の快楽を感じるらしいのですが、それが緩やかなことが、GINGER LEMON HONEY には必要だったのです。
わたしたちとしては、ただただ美味しいものを目指していたつもりだったのですが、ヒマラヤ圏の空気感や味わいを、自分たちなりに再現しようとすると、自然と身体に優しいものになっていったのです。
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